NURO光工事が遅い?なぜ?
高速通信・格安料金で話題のNURO光。
2chを通して口コミを確認しました。
良い口コミってのはけっこう見ましたので、悪い口コミがないか確認してみるとどうも工事に関してのマイナスな口コミが多い気がしました。
以下、実際の書き込み。
NURO光の開通工事も結構やりますので、この辺の事情はよくわかっています。
名無しさんに接続中… (ワッチョイ 2ba4-rzru):2016/09/30(金) 15:47:32.40 ID:nWup1QeI0昨日宅内終わったけど、宅外工事の空きが11月まであいてないと言われたわ
結論、確かにNURO光の開通工事は通常より時間がかかるケースが多いです。
これはNURO光の回線提供のシステムによるものなのですが、このあたりがわかっていないと
『なんでこんなに時間がかかるんだろう(怒)』
『やっと工事が入ったけど延期って言われた(怒)』
などトラブルの原因になります。
申し遅れましたチチ猫と申します。
私は10年以上光回線の開通工事に関わり、近年申し込みの多いNURO光の開通工事にも数多く関わってきました。
意外とNURO光の仕組みをわからず開通工事になっている方も多くみられます。
まずはしっかりとNURO光の仕組みを理解しておくと、申し込んでからの工事に対するストレスが少なく済むと思いますので、私の経験からお伝えできるポイントをまとめてみます。
なぜクレームになるほど工事が遅いのか?
NURO光の工事が遅いというのは事実です。
なぜクレームになるほど工事が遅いのか?
それは二回目の工事が必要だからです。
二回目の工事が必要?
今まで他の回線工事を経験したことがあるかたなら、当然?となるでしょう。
ひとつの会社の回線工事をしたいのに、なんで二回目の工事が入る必要があるのか…。
記事の冒頭でも書きましたが、これはNUROの提供システムによるものです。
この後詳しくお伝えします。
二回目の工事が必要なのは、工事区間が分かれているから。
2Chの口コミにもこの様に教えてくれている人がいました。
2回の工事が必要です。
1回目は宅内工事(NURO指定業者)、2回目は宅外工事(NTT下請け業者)となり
一般的な光回線よりも開通までに時間が掛かります。
宅内工事が完了しても宅外工事が出来ない場合もあり、その時はキャンセルになります。
また、宅内工事は比較的早いけど宅外工事は数カ月待つこともあります。
この書き込みにあるとおりですが、NURO光の開通工事では一回目宅内工事と、二回目の屋外工事が入ります。
というのもNURO光が利用する光ケーブルの区間は、NTTの持っているケーブル設備を借りて提供するからなんです。
NTTのケーブルで使っていない部分を借りて運営するスタイルを、ダークファイバ―といいます。
大前提NURO光を提供しているソネットという会社と、NTTとは別の会社です。
意外と『光回線』という大きなくくりで考えてしまって、提供している会社が違えば全くの別物になるということが分かっていない方が多くいらっしゃいます。
形としては見た目大きく変わらない状況で家に線を引いてあっても、各社自分の責任区間をはっきりと分けて、ここからここは自社がメンテナンスやアフターフォローをする区間というものを定めています。
NTTは使っていないケーブルを貸し出して利益になりますし、ダークファイバ―を借りて運営するNURO光のようなサービスも自社でケーブル設備を用意する必要がないので、Win‐Winの関係といえます。
NURO光の工事では分界点が基本的に存在する
つまりNURO光では、電話局から電柱を通過している光ケーブル、電柱から家の外壁までの宅外工事はNTTが責任をもって工事、メンテナンスをする区間になています。
そして外壁から宅内のONU装置までの宅内工事はNURO光が責任をもって工事、メンテナンスをする区間としています。
それを分ける分界点(ぶんかいてん)というものが存在します。

NURO光の工事をしたお宅の外壁にはこのようなボックスがついています。これが分界点になります。
※最近の工事では付けないパターンの工事もあるそうです。でも基本的には分界点が存在しています。
このボックスの中で宅外工事の引き込み線と宅内工事の光ケーブルがつながっています。
故障など何かあったときには、工事業者はこのボックスで宅外工事が悪いのか、宅内工事が悪いのかを判断できるようになっています。
その為の分界点なんです。
この分界点を境として、一回目の工事ではボックス~宅内ONU装置までの線を引く宅内工事を、二回目の工事では電柱からボックスまでの引き込み線を引く宅外工事が行われることになります。
工事が遅くなる要因は二回目の工事の調整、実施に時間がかかるから。
通常一回ですべてが終わるはずの工事が二回あること自体、時間がかかる要因なのですが、一回目の宅内工事(NURO区間)の工事って意外とスムーズに終わります。
家の中側だけを線の設置、機器の設置をするだけなのでそれほど大変ではないのです。
日程を決めるのもNUROが受け付けて、NUROが自社の施工業者を手配すれば良いので調整がしやすいのです。
しかし二回目の工事ではNUROは
『ウチは宅内工事が終わったから、あと宅外工事よろしくねー』
って感じでNTT側に依頼するだけで、そこから先実際に工事をする人の手配ができるわけでも、設備の確認をすることができるわけでもありません。
NUROで宅外工事まで担当しているなら、クレームにならないように調整を迅速に行うこともできるでしょうが、あくまで宅外工事を依頼するのは他社であるNTTです。
正直NTTも他社からの依頼…という位置づけであることは確かなので、そこまで緊急感をもって対応をしていないというのは事実です。
もう少し同じような意識で、情報もうまく共有して工事に取り組むことができれば対応も変化するのでしょうが、このシステムで運用している以上は仕方のないこととあきらめるしかないのが現実です。
二回の工事を一回で済ますなら同日工事を申し込もう
関東エリアにお住まいで、戸建て住宅の場合は通常二回に分けて入る工事を一緒の日にする
『同日工事』があります。
しかしこれには別途料金が必要です。
同日工事費用 | 5,500円 |
土日工事費用 | 3,300円 |
週末で同日で…となると、実に8,800円も余計にかかることになります。
でも最短で工事をしたい!という場合にはこの方法しかありません。
それでも次の項目で紹介するように、工事が延期になるリスクはあります。
さらに宅外工事が遅くなる可能性もある。
二回目の工事は調整すること自体に時間がかかるとお伝えしました。
しかしようやく工事の連絡がきて、やっと開通するぞーっと期待していたのにさらに延期・工事が出来ないとなるケースもあるようです。
それだけ待たされて挙句、宅外工事できませんでは腹がたちますよね。
というのもNTT側も基本的に共有しているのは、申し込み者の個人情報と住所くらいです。
住所をもとに設備があるかどうか検索して、この場所ならこの電柱からつなげることが出来るだろうくらいの感じで施工業者を手配しています。
はっきりいってアバウトです。
で実際いってみたら全然実際の場所は違っていて、つかえるケーブルがなかった…とか、想定していたルートだと他の人の家の敷地を通ってしまうので工事が出来ないとか…現場の判断で二回目の宅外工事が出来ない場合があります。
設備がない…みたいな時は、また新たにケーブルを新設して電柱のところにボックスを付けて…みたいな大規模な工事をする可能性もありますし、他の家の敷地を通ってしまうような場合には、近隣との調整に時間がかかってしまう場合もあります。
最悪の場合、二回目の宅外工事が出来ないということで工事キャンセルになってしまう場合もあります。
まとめ:仕組みを理解して申し込みには余裕を持って…
NUROの提供体制がご理解いただけたでしょうか?
NTTのケーブルは全国的にすみずみまで行きわたっていますので、ほとんどの場合は問題なく宅外工事も完了するでしょう。
しかし仕組み上、二回目の工事が入るのも間違いないですし、実際二回目の宅外工事にきたら工事出来ない可能性がリスクとしてあるのは事実です。
通常の開通工事より時間がかかる、工事が出来ない可能性もあるということを理解した上で、時間には余裕をもって申し込みをしましょう。
工事する立場としては、ぶっちゃけ行く本人も行ってみるまで設備が使えないとか、住所の情報に相違がある…なんて行ってみないと分からないのですから…。
何が何でもすぐ開通してすぐ使いたい!
それは仕組み上ほぼ不可能なのでご注意ください。